一般社団法人日本宝石学教育研究所(宝学研)は、宝石業界の未来を見据え、地域とのつながりを強化することで、業界全体の発展を目指している。
宝学研は、宝石に触れる機会を提供することの重要性を強調し、特に子供たちを対象とした「親子宝石教室」を開催することを推奨している。
この取り組みは、将来的な顧客基盤の育成と地域コミュニティとの関係強化を目指している。
宝学研の設立背景と活動内容
宝学研は、昨年12月に非営利型の一般社団法人として設立された。
設立の背景には、コロナ禍を経て地域の重要性を再認識したことがある。人口減少が進む中、業界の縮小を少しでも食い止めるために、地域とのつながりを強化することが不可欠と考えられた。
理事長を努める中嶋良一氏(=写真)は、大学での講師経験を通じて、Z世代の学生に宝石に触れる機会を提供することが重要であると気づき、地域の子供たちに宝石の魅力を伝える活動を開始した。
宝学研の活動は、Onlineや実技セミナーを通じて基礎的な宝石学を学ぶことから始まる。セミナーでは「親子宝石教室」の開催を希望する参加者に対し、開催に必要な情報を提供する。また、認定講師となるためのプログラムも用意されており、最終試験にはプレゼンテーションが含まれる。このようにして、宝石店で親子宝石教室を開催できる講師を育成する。
親子宝石教室の意義と効果
親子宝石教室の開催は、地域とのつながりを深めるだけでなく、宝石業界全体の活性化にもつながる。子供たちが宝石に触れることで、将来の顧客としての関心を高めることができる。
宝学研は、この教室を開催するポイントとして、子供たち向けの興味を引くワークショップの実施、親からの専門的な質問に対応できること、そして継続的に教室を開催するためのネタと継続性が重要であると提案している。
例えば、鉱物ショーなどのイベントで子供たちが多く見られるが、これを宝石店での教室に応用することで、地域の宝石店と親子の距離が近くなる。これにより、地域コミュニティとの強固な関係が築かれ、宝石業界の未来を担う次世代の顧客が育成される。
宝石業界と地域社会の連携
宝学研の活動は、宝石小売店だけでなく、メーカーや業界全体にとっても意義深いものである。地域社会との連携を深めることで、宝石業界全体が持続的に発展していく基盤を築くことができる。具体的には、宝石店での親子宝石教室の開催を通じて、地域とのつながりを強化し、業界全体の縮小を防ぐ取り組みが重要である。
全国の宝石店が積極的に親子宝石教室を開催し、地域の子供たちに宝石の魅力を伝えることで、宝石業界全体が未来に向けて一歩前進することが期待される。宝学研の活動を通じて、地域社会と宝石業界が一体となり、持続可能な発展を目指していくことが重要である。
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